これは、私が実際に見たことのある植物の名前の間違いです。
今まで結構な数を見かけましたので、一部ご紹介します。
ですが、名前は間違っているのに、着用時期が合っているんですよ。
ちょっと面白いですね。
写真に間違った説明文を貼ってしまった「うっかり貼り付けミス」かと思いました。
問い合わせをした事がありましたが、本当に植物の名前を知らないようでした。
★下記の着用時期は絶対ではありません。参考程度にお考え下さいね。
枇杷(びわ)の絵なのに、「ブルーベリー」
枇杷の帯に「これはブルーベリーです。」と記載されていました。
枇杷の実の時期:5月~6月頃
着用時期:4月~5月頃
ブルーベリーの実の時期:6月~9月頃
着用時期:外国の植物なので、いつでも可という考えがありますが、
生地の素材によって袷の時期か、単衣の時期か判断する事になりそう。
絽や麻なら夏の時期になりますね。
これがブルーベリーの実です。
ケーキやアイスクリームによく使われているので、皆さんよくご存じなのではないでしょうか?
なぜ枇杷をブルーベリーと間違えたのでしょうか・・・。
その帯は、墨絵のモノトーンの帯でした。
白と黒のみで描かれた絵だった為、自分の知っている植物の「ブルーベリー」と思ったのでしょう。
枇杷の葉もキチンと描いていたし、実の形も枇杷と分かるように描かれていました。
この帯に説明文を書いた人は、枇杷がどんな風に実っているか知らなかったのでしょう。
都会の人だと枇杷の木なんて見る機会は無いですよね。
スーパーでは実の部分だけでしか売っていないので、仕方がないのかもしれません。
↑ 墨絵風に白黒に画像を加工してみました。
モノトーンだとしても枇杷の木を知っている人間からすれば、ありえない間違いです。
でも、知らない人は多いのかもしれません。
きっと墨絵じゃなく、カラーだったら間違えなかったでしょうね。
白木蓮(ハクモクレン)の絵なのに、「桜の花」
白木蓮の帯なのに「これは桜の帯です」と桜の花の説明が記載されていました。
こちらは白木蓮(ハクモクレン)の花です。
<ハクモクレンの花>
白木蓮の開花時期:3月~4月頃
着用時期:2月~3月頃
この帯も、どうみてもハクモクレンにしか見えないように描かれていました。
桜の花との共通点は白い花という所でしょうか。
「葉が描かれてなく、枝に白い花」というので、桜と判断したのでしょう。
<桜の花>
桜の花の時期:3月~4月頃
(下記画像のような)枝も描かれている桜柄の着用時期:2月~3月頃
満開の時期は避ける事。
桜の花は描かれ方により着用時期が変わるので、注意が必要です。
菊の花なのに、「タンポポ」
黄色い菊の絵が描かれていました。(葉も茎も描かれていました。)
<菊の花>
菊の花の咲く時期:ほぼ一年中
着用時期:一年中可。でも秋、冬に着るのが良いという人もいます。
※絽や麻の素材に描かれている物は夏の時期の物です。
(私は日本を代表する花なので、一年中着て良いと聞いて育ちましたが…。)
秋に着るのがおしゃれで正義!と思っている人もいるので要注意。
100歩譲って(笑)花の部分だけなら、タンポポと間違えても仕方ないかもしれません。
タンポポは菊科の花ですし・・・。
でも、その帯には、ちゃんと葉の部分まで描いてありました。
<蒲公英(タンポポ)>
タンポポの咲く時期:3月~4月
着用時期:3月頃
タンポポは、す~っと長い茎の先に花がついています。花の部分だけ見ると菊の花と似ていますね。
でも、茎の部分や葉のつき方や形は全然違います。
烏瓜(からすうり)なのに、「柿」
これも、どうみても烏瓜にしか見えないように描かれていました。
<烏瓜 からすうり>
烏瓜の実が熟す時期:10月~11月末頃
着用時期:9月下旬~11月頃
「柿と蔦の葉が描かれている帯です。」と紹介されていました。
間違っていないと思っているから、自信満々に説明されているのでしょう。
きっと、烏瓜を見た事が無かったのでしょう。
<柿の実>
柿の実る頃:9月~11月頃
着用時期:9月下旬~11月頃
柿との共通点は柿の実の色、濃いオレンジ色の実の絵という事だけです。
植物の柄は難しい。「人の為」に着る場合は、よく調べて!
植物柄の着物や帯は着られる時期が決まっている事があります。
住んでいる場所によって、花の咲く時期・実る時期って地域差がありますよね。
本やサイトで紹介されている、「一般的」と言われている時期とずれていて悩む事があります。
自分の為だけに着たい柄を着る!のなら、ちょっと間違っても、良いと思います。
ですが、お茶やお花のお稽古の集まり・お祝い事に参加する場合などは要注意です。
誰かの為に着る場合は、ふさわしくない柄があります。
茶道具などの柄とかぶると、無粋・良くないとされる場合があります。
そのため、植物の名前を正しく知るのは大事だと思います。
大手サイトやフリマサイトで沢山の着物類を扱っている業者さんだからと言っても、ちょっと待って!
全員が植物の名前に詳しい訳ではありません。
人の為に着る可能性のある方は、自分でも植物の名前を調べてみて下さいね!